ハキダメ記

読んだ本の感想や自作詩など

こんな本だった

「それでもやっぱり日本人になりたい」W・A・グロータース著 はこんな本だった

【ザックリとしたまとめ】本書には、カトリック司祭のテイヤール・ド・シャルダンが登場する。著者のグロータース氏はカトリックの神父で同時に「方言」を研究する言語学者である。彼は、日本軍が占領する中国に赴任するが、そこでイエズス会士で古生物学者…

「回勅 真理に根ざした愛」ベネディクト十六世著 はこんな本だった

【ザックリとしたまとめ】 すべての人に及ぶ「全人的発展」こそが、教会のめざす「真の発展」であり、この「真の発展」を果たすためには「真理に根ざした愛」という「神」に向かう姿勢が必要となる。真理に根ざした愛作者:教皇ベネディクト十六世発売日: 201…

「ポプロールム・プログレシオ −諸民族の進歩推進について−」パウロ六世著 はこんな本だった

【ザックリとしたまとめ】 真の「進歩」とは、「全人的な発展」のことである。 そして、真の「進歩」は、「物質的な発展」だけでは不十分であり、「人間的な発展」をも伴っていなければならない。 そして、この真の「進歩」を果たすには、過度な「自由競争」…

「信仰と未来」ヨゼフ・ラツィンガー著 はこんな本だった

キリスト教の「神学的思考」と現代科学の「実証的知識」は、噛み合わず分裂してしまっているが、それはそれぞれの思考の対象が異なっているからである。なので「実証的思考」がいかに素晴らしいものであっても「神学的思考」の代替とはならない。 また、「神…

「おそれとおののき」キルケゴール著 はこんな本だった

キルケゴールの「おそれとおののき」を図説付きで解説。 アブラハムは、神から祝福を受け、子孫の繁栄と豊穣な土地を約束される。けれども神はアブラハムに息子イサクをささげることを要求する。「信仰の騎士」アブラハムは、その要求に従って息子イサクを殺…

「反復」キルケゴール著 はこんな本だった

ものの捉え方には「追憶」と「反復」の二種がある。 「追憶」は、人の世を「観察者」として生きることである。 「反復」は、人が「当事者」として生まれ変わり、人の世を生きることである。 そして「反復」は、『ヨブ記』のヨブが見舞われたように、苦しみと…

「ダライ・ラマ 宗教を越えて」ダライ・ラマ14世著 はこんな本だった

本書において、ダライ・ラマは「世俗的な倫理(宗教に立脚しない倫理)」を提唱している。 この新しい倫理は、「価値観」のような外から押しつけるような性質のものではない。 ダライ・ラマが提唱する「世俗的な倫理」とは、人間が生来的にもっている「内な…

「悪について」エーリッヒ・フロム著 はこんな本だった

本書において、著者のエーリッヒ・フロムは、悪の真髄を「衰退のシンドローム」と銘打ち、それはネクロフィリア(死への愛)、悪性のナルシシズム、近親相姦的共生の三要素から構成されていると述べている。 そしてこの「衰退のシンドローム」と対抗するもの…

「回勅 信仰の光」教皇フランシスコ著 はこんな本だった

現代社会では、「信仰」なるものは、弱者のすがるもの、科学的探求の邪魔ものとみなされている。 けれども、「自己中心」的な状態から解放されるためにも、またその他のためにも、「信仰」ってものは大切なのだよ、というのが本回勅の主張である。 個人的に…

「回勅 希望による救い」ベネディクト十六世著 はこんな本だった

今回取り上げた回勅のテーマは「希望」です。 キリストが十字架上の死によって人間にもたらした「希望」。それは、人々が望んでいたような「外的な社会構造の変化」によるあがないではなく、「人間の内側からの変化」によるあがないであったのだという。 ま…

「回勅 神は愛」教皇ベネディクト十六世著 はこんな本だった

「回勅」とは、ローマ教皇が書いて、カトリックの信者たちが読む書簡のことである。 本回勅では、人をキリスト信者にするのは「神の愛」との《出会い》であることが述べられており、また、人が人を、そしてなにより神を愛するようになるには、まず愛されると…

「不安のしずめ方」加藤諦三著 はこんな本だった

本書は、「不安」に立ち向かう方法を解説した本である。 人は「不安」と向き合わないことによって「不安」を解消しようとするのだという。 しかし、「不安」をしずめるためには「不安」に立ち向かわなければならないのだというのである。 不安のしずめ方―人…

「宗教なんかこわくない!」橋本治著 はこんな本だった

本書は「宗教」というものを分析した書であるばかりでなく「日本人論」にもなっている。 橋本治氏は言う。「宗教とは現代に生き残っている過去」にすぎない、と。 また言う。この過去の遺物から逃れるには「自分の頭で考える」という習慣を身につけなければ…

「四つの愛」C・S・ルイス著 はこんな本だった

C・S・ルイスの言う「四つの愛」とは、「愛情」、「友情」、「恋愛」、「聖愛」のことである。 さらにルイスは、「愛の要素」として、「与える愛」、「求める愛」、「鑑賞的愛」の三つを挙げている。 そして、「人間の愛」は、大切なものであるに違いない…

「人間と永遠」G・K・チェスタトン著 はこんな本だった

このG・K・チェスタトンの「人間と永遠」は、H・G・ウェルズの『世界史概観』に対する反論として著された本である。 H・G・ウェルズは、「人間の完成」を未知の未来に見いだしていたが、キリスト教徒であるチェスタトンは、「人間の完成」をキリスト教…

「正統とは何か」G.K.チェスタトン著 はこんな本だった 【その2】

「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である。」チェスタトンの有名な逆説。 「内なる光」、人間の徳とか能力とかいったものを「崇拝の対象」にすることは、大変危険であるということ。 キリスト教は一刀両断する。「…

「正統とは何か」G.K.チェスタトン著 はこんな本だった

「正統」ほど危険に満ち、興奮に満ちたものはないということ。 イエス・キリストには「かくしごと」があったということ。 「物質主義」は、人類を宗教から解放したが、別の宿命論に結びつけたということ。 正統とは何か作者: ギルバート・キース・チェスタト…

「愛するということ 新訳版」エーリッヒ・フロム著 オマケ

前回記事のオマケ。 本書において、フロムはさまざまな「愛のかたち」を分析している。 フロムによれば、「自己愛」は「利己主義」と同一視されがちだが、全く逆の性質のものだという。 そして、「利己的な人間」は、他人はもちろん、自分自身すら愛すること…

「愛するということ 新訳版」エーリッヒ・フロム著

「愛は技術である」とフロムは言う。 フロムの言う愛とは、テレビドラマで観るような「情熱的なもの」ではなく、「慈愛」のことを指しているようである。 そして、「愛する技術」の習得には、自己中心主義(ナルシシズム)からの脱却が必要であり、そのため…

「ユダヤ教の人間観 旧約聖書を読む」エーリッヒ・フロム著 その3

今回は、フロムの「ユダヤ教の人間観」の読後感のオマケ。 気になった部分を抜き書きしてみるのだ♪♪ 「近親相姦的な束縛」という気になるワードも出てくるゾッッッ。ユダヤ教の人間観―旧約聖書を読む (河出・現代の名著)作者: エーリッヒフロム,Erich Fromm,…

「ユダヤ教の人間観 旧約聖書を読む」エーリッヒ・フロム著 その2

今回のテーマは「偶像崇拝」。「偶像」ってナニ??っていうお話なの♪ この本での「偶像崇拝」に対するフロムの見識は、とっっっても分かりやすくて、ついでに新鮮ピチピチな感じがするの♪♪ ユダヤ教の人間観―旧約聖書を読む (河出・現代の名著)作者: エーリ…

「ユダヤ教の人間観 旧約聖書を読む」エーリッヒ・フロム著 その1

この本は「宗教なんて、なんかウサン臭いし、堅苦しそうだし、なんかイヤだわ、近寄りたくないわっ。......でも、人生に意義をもって生きていきたいわっ、ステキな目標をもって生きていきたいわっっっ!」という人むけの本だろう。ユダヤ教の人間観―旧約聖書…

『「甘え」の構造 (増補普及版)』土居健郎著

「鬱は甘え」という言葉をよく耳にする。そして、このように言われるとき、「甘え」というものは、《良くないもの》、《必要ないもの》、そして《否定すべきもの》と捉えられているようである。 しかしながら、本書『「甘え」の構造』は、「甘え」をこのよう…

『苦しみのキリスト教的意味 サルヴィフィチ・ドローリス』ヨハネ・パウロ二世著

今回は、「苦しみのキリスト教的意味」という副題を付けられた、ヨハネ・パウロ二世による教皇書簡、『サルヴィフィチ・ドローリス』の内容を解説していきたいと思います。『サルヴィフィチ・ドローリス --苦しみのキリスト教的意味--』ヨハネ・パウロ二…

「現代の批判」キルケゴール著

今回は、前回に引き続き、中公クラシックス版の『死にいたる病/現代の批判』を取り上げ、その『現代の批判』の部分、つまり257ページから345ページにわたる部分を読み進めていこうと思います。 ※今回も、本文および引用部分における“強調”部分は、ブログ主に…

「死にいたる病」キルケゴール著 その4

【『死にいたる病』キルケゴール著 桝田啓三郎訳 中公クラシックス】を私なりに解説してみました。 最終回の今回は、「第二編 絶望は罪である」と題された、141ページから244ページにわたる部分を読み進めていこうと思います。

「死にいたる病」キルケゴール著 その3

【『死にいたる病』キルケゴール著 桝田啓三郎訳 中公クラシックス】を《図説つき》で解説。 今回は、「この病〔絶望〕の諸形態」と題された、44ページから127ページにわたる部分です。

「死にいたる病」キルケゴール著 その2

【『死にいたる病』キルケゴール著 桝田啓三郎訳 中公クラシックス】を《図説つき》で解説。 今回は、「絶望の可能性と現実性(p.18〜p.23)」「絶望は「死にいたる病」である(p.24〜p.31)」「この病〔絶望〕の普遍性(p.32〜p.44)」のあたりを解説してい…

「死にいたる病」キルケゴール著 その1

【『死にいたる病』キルケゴール著 桝田啓三郎訳 中公クラシックス】を《図説つき》で解説。 今回は、難解な冒頭の部分「第一編 死にいたる病とは絶望のことである - A 絶望が死にいたる病であるということ(p.15-18)」を読み進めていきます。

「ハタチになったら死のうと思ってた」中村淳彦著

【『ハタチになったら死のうと思ってた AV女優19人の告白』 中村淳彦著 ミリオン出版】の読後記。 「死んだ、死にたい、死のうと思った−−この連載は、なぜか死の話が多い。取材だけの話ではなく、AV業界は本当によく人が消えたり、死んだりする。間違いなく…