ハキダメ記

読書録(主にキリスト教関連)

こんな本を買った

「使徒的勧告 喜びに喜べ 現代世界における聖性」教皇フランシスコ著 を買った

【ザックリとしたまとめ】本来の「聖性」というのは、私たちにとって身近なものなのである。だから聖人のマネをしようとして疲弊してしまってはいけないのだ。また「グノーシス主義」や「ペラギウス主義」といった思想の流入にも気をつけなければならないの…

「使徒的勧告 愛するアマゾン」教皇フランシスコ著 を買った

【ザックリとしたまとめ】お題は南米の「アマゾン」。今、アマゾンは世界の資本によって蹂躙され疎外されているが、それをゆるしていてはならないということ。またインカルチュレーションにあっては、アマゾンに残っている信仰形態を即偶像礼拝として退ける…

「使徒的勧告 愛のよろこび」教皇フランシスコ著 を買った

【ザックリとしたまとめ】現代の「家庭」を取り扱ったカトリック教会の勧告。中でも特に印象的だったのが、「離婚」や「再婚」をした信者たちにも、教会は門戸を開き、彼らを受け入れなければならないという、本勧告の指針であった。使徒的勧告 愛のよろこび…

「回勅 ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に」教皇フランシスコ著 を買った。

【ザックリとしたまとめ】昨今話題の「SDGs」に関連した回勅。本回勅の特徴は、持続可能な社会を達成するには、「意識改革」だけではなく、「人間性改革」も必要だとしている点にある。さらに本回勅は近代社会の(行き過ぎた)「消費主義」も批判している。…

「宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか」藤原聖子著 を買った

【ザックリとしたまとめ】本書は、イスラム教・キリスト教の過激派だけではなく、神道や仏教などにおける過激派も扱っている。取り上げる過激派の幅が広いだけでなく、本書は過激思想のルーツにまで遡って解説することによって、宗教過激派に関する理解を深…

「宗教と日本人 葬式仏教からスピリチュアル文化まで」岡本亮輔著 を買った

【ザックリとしたまとめ】本書は、宗教を信仰の視点だけでなく、実践と所属という新しい視点を加えて分析するものである。この新たな視点によって、よく葬式仏教と揶揄されがちな日本の仏教も十分に宗教であることが明らかにされている。 また、スピリチュア…

「キリスト教とシャーマニズム なぜ韓国にクリスチャンが多いのか」崔 吉城(チェ・キルソン)著 を買った

【ザックリとしたまとめ】韓国のキリスト教は一風かわっていて、その特徴は「シャーマニズムとの混合」にあるという。そして、この韓国人の「熱狂」的な信仰は、アメリカ生まれのキリスト教と馬が合っていたようである。今回の記事では、森本あんり氏の『反…

「目からウロコ キリスト者同士の人間関係」来住英俊著 を買った

【ザックリとしたマトメ】キリスト者同士の〈人間関係〉において、重要になってくるのは「識別と選択」である。そして、その際に役立つのが〈聖イグナチオ〉が考案した「霊動識別」だ。これは「悪霊」の働きかけを察知しようとするものである。悪霊がそこで…

「目からウロコ ゆるしの秘跡」来住英俊著 を買った

【ザックリとしたまとめ】今回は、「ゆるしの秘跡」にイキヅマリを感じていたワタクシの私的備忘録的な記事。 〈ナントナク〉で受けていた「ゆるしの秘跡」であったが、本書を読めば、その有効的な受け方がわかってくる。 ポイントは「後悔」と「痛悔」は違…

「キリスト教は役に立つか」来住英俊著 を買った

【ザックリとしたまとめ】本書の売り文句に『キリスト教の〈教養〉は、「孤独」に効く!』とある。なぜなら、キリスト教を学ぶことによって、神との〈語らい〉が始まるから。 本書は、ドストエフスキーからラノベまで、幅広いエピソードでもって〈キリスト教…

「ヴィクトリア女王」君塚直隆著 を買った

【ザックリとしたまとめ】ヴィクトリア女王の生涯を通して、19世紀、絶頂期のイギリスの姿を描き出した作品。ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王” (中公新書)作者:君塚 直隆発売日: 2007/10/01メディア: 新書「ヴィクトリア女王」君塚直隆著 中公新書 200…

「マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家」野口雅弘著 を買った

【ザックリとしたマトメ♪】オモシロエピソード満載でありながらも、ウェーバーの思想が簡潔にまとめられている本。マックス・ウェーバー初心者に最初の一冊として強力プッシュしたい新書。マックス・ウェーバー-近代と格闘した思想家 (中公新書)作者:野口 雅…

「マックス・ウェーバーを読む」仲正昌樹著 を買った

【ザックリとしたマトメ】 ドイツの社会学者および経済学者であるマックス・ウェーバーの主要著作(『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『職業としての政治』『官僚制』『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』『社会学の基礎概念』『…

「韓国 現地からの報告」伊東順子著 を買った

【ザックリとしたまとめ】 韓国および韓国人の「素の姿」が見えてくるような新書。本書によれば、著者が現地で見た韓国と、日本のメディア(特にテレビ)で伝えられる韓国の間には「ズレ」があるという。韓国 現地からの報告 (ちくま新書)作者:伊東 順子発売…

「今こそアーレントを読み直す」仲正昌樹著 を買った

ハンナ・アーレントは「ひねくれ」た政治哲学者だという。たとえば、彼女は左派知識人受けの悪い「アメリカ」を高く評価しているのである。一方で彼女は左派知識人受けの良い「フランス革命」や「ロシア革命」を批判的に見ているのである。今こそアーレント…

「エリザベス女王」君塚直隆著 を買った

次から次へとページをめくりたくなる「飲みやすさ」と高い専門性という「コク」とをあわせもった、イギリス式のおいしい「紅茶」のような新書であった。エリザベス女王-史上最長・最強のイギリス君主 (中公新書)作者:君塚 直隆発売日: 2020/02/18メディア: …

「育てられない母親たち」石井光太著 を買った

署名には「母親たち」とあるが、母親たちだけでなく父親たちもまた育てられないのである。そして、ネグレクトや虐待をする「育てられない親たち」もまた、その幼少期にネグレクトや虐待を受けて育っており、彼らは心に多くの傷を負っているのである。「衝撃…

『韓国を支配する「空気」の研究』牧野愛博(よしひろ)著 を買った

韓国を支配する「空気」とは、「公の場で日本をほめたたえてはならない」というものであり、そしてそれは戦争経験者への「気遣いと遠慮」から生じた「空気」だという。 また、韓国人の気質は白黒はっきりつける「本音を好む」ものであり、それは「本音と建て…

「日本の貧困女子」中村淳彦著 を買った

本書は、「貧困女性」、特に北関東と沖縄に住む「貧困女性」に焦点を当てた本である。 そして、本書を読み進めていくと、彼女たちに不足しているのは「金銭」だけでなく「愛情」であることが分かってくるのである。日本の貧困女子 (SB新書)作者:中村淳彦出版…

「イスラム2.0」飯山陽著 を買った

本書は、「イスラム2.0」というSNS時代のイスラム教を分析した本である。 特に第七章の「イスラム教徒と共生するために」と題された章は、日本人がイスラム教徒と付き合う点で気をつけるべきことが「具体的」に記されているので、誰しも皆一読しておくべきだ…

「アウグスティヌス講話」山田晶著 を買った【その2】

本書は、アウグスティヌスの思想についての講話をまとめた本である。 今回取り上げた「創造と悪」という講話において、講師の山田氏はアウグスティヌスと道元の思想の類似性について熱弁している。 ふたりの共通点は「当事者性」にあるというのだが、それは…

「アウグスティヌス講話」山田晶著 を買った 【その1】

アウグスティヌスの『告白』は「ある女性」に捧げられた本だという。 その女性とは、アウグスティヌスと同棲生活をしていた人であったらしい。 ふたりは別れてしまうのであるが、アウグスティヌスは彼女に対する懺悔の気持ちもあって、『告白』を著したのだ…

「魔女狩り」森島恒雄著 を買った

「魔女狩り」という異常事態において、聖職者のような「エリート」が主導的であったのか、そうではなく「民衆」が主導的であったのかという問題。 本書は「エリート主導」論を採用しており、その様々なエピソードを語っている。 一方、ウィキペディアでは「…

『信仰と「甘え」 増補版』土居健郎著 を買った

本書は、『「甘え」の構造』でおなじみの土居健郎氏が、「甘え」と「信仰」の関連性について語ったことをまとめた本である。 世間一般に「甘え」には否定的なイメージが強い。 しかしながら本書では、「甘え」は信仰にとって、重要な感情であることが説明さ…

『「カルト」はすぐ隣に −オウムに引き寄せられた若者たち』江川紹子著 を買った

オウムに引き寄せられた若者たちの様々なケースを、著者の江川紹子氏が細かく分析し丁寧にまとめ、「オウム事件の教訓」として「カルト」にねらわれやすい若者に向けて書かれた本です。 「カルト」は、「遠い世界」の存在ではなく、私たちの「すぐ隣に」いる…

「マキァヴェッリ−『君主論』をよむ」鹿子生浩輝著

マキァヴェッリの一般的なイメージは、悪徳を勧める「冷酷非情な人」というものであろう。 しかし、本書は、そういったイメージを覆す。 マキァヴェッリは、ユーモラスで女好きな人物であったという。 そして、『君主論』も、すべての君主に向けて書かれた論…

「ライシテから読む現代フランス −−政治と宗教のいま」伊達聖伸著

今回のテーマは、フランスの政治制度「ライシテ」である。 ライシテから読む現代フランス――政治と宗教のいま (岩波新書)作者: 伊達聖伸出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2018/03/21メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る「ライシテから読む現代…

「【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派」池内恵著

「イスラム教」というものを少しでも理解したくて買った本である。 著者の池内恵氏を知ったのは、渡辺京二氏の本、『さらば、政治よ 旅の仲間へ』(晶文社刊)によってである。 その本では、池内氏の『イスラム国の衝撃』が紹介されていた。たしかに、イスラ…

「トマス・アクィナス 理性と神秘」山本芳久著

「神学」の新書である。トマス神学の「入門書」としての位置づけである。 だが、その内容は相当に「濃ゆい」。 著者の山本氏は《序》で次のように述べている。 偉大な思想家の思索の全貌を薄く広く要約的に紹介するだけの「入門書」は、結局、何に対しても読…

「リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義」渡辺靖著

「帯」に引かれて買った本である。 帯にある、 ○移民 ○人工妊娠中絶 ○規制緩和 ○LGBTQ×ナショナリズム ×人種差別 ×イラク戦争 ×オバマ・ケア ×銃規制 ×死刑 というような、「保守」とも「リベラル」とも異なる、「リバタリアニズム」独自の価値観がブログ主…